【書評】「濹東綺譚」「よだかの片想い」の感想
▼「濹東綺譚」永井荷風
墨東綺譚改版 (岩波文庫) [ 永井荷風 ]
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おすすめ度:★☆☆☆☆
永井荷風の小説。「ぼくとうきたん」と読む。
永井荷風おぼしき人物が、小説「失踪」を書くネタ探しのために町をうろうろする話。
いや、これ面白いって思う人いるの?笑
まじでなーんにも面白い事がないし、何にもはっとする言葉もない。
それなのに読書メーターの感想を見るとみんな素晴らしい素晴らしいと言っている。
そんな人たちのことを僕は信用しない笑
たしかにこれを面白いと思う人がいるのは認める。でもみんながみんな素晴らしいっておもうはずがない。
おそらく9割方の人がきっと嘘をついている、面白くなかったけど、面白いって言っとかないと自分が文学のわからない人間だと思われてしまう!
そんな感じで面白くなくても面白いと言っていると思う。
話はずれるけど、文学の感想って本当にそういうのが多くて、たとえば「カラマーゾフの兄弟」とか一時期流行った時があったけど、本当にみんな面白いと思ったの?
僕は同じドストエフスキーなら「罪と罰」は面白かったけど、冗長すぎる「カラマーゾフの兄弟」は面白いとは思えなかった。
そう、みんな妙に世間に感想を合わせようとするのだ、特に文学作品については。
でも自分にとって面白くない小説は、何を言われようと面白くないはずなので、そこんところは素直でいいじゃん!と僕は思ったりなんかする。
だから僕はこの濹東綺譚を面白くない!と素直に言います。
でも僕は自分に自信がないので、ちょっと調べてみたら丸谷才一も、「だめな小説だと思う」って言っててほっとした。
▼「よだかの片想い」島本理生
よだかの片想い (集英社文庫) [ 島本理生 ]
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おすすめ度:★★☆☆☆
顔に生まれつきアザのある女の子の恋愛小説。
ある男性との恋愛を通じて、主人公の女の子は成長するという構図。
きれいな話。
きれいな話なんだけど、そのとある男性が結構嫌な男じゃないか!?(・・;)
作中ではきれいに描かれているが、よくよく考えると結構身勝手な男である。
でもまぁ現実でもこういう男の方がもてるんだよなーと思うと変なリアリティがあるのかもしれない。
それに主人公を成長させてくれたのだと考えるとナイスガイである。それはさすがに言い過ぎか。
反対に主人公のことを好きになってくれた男性は良いやつなんだけど、たしかに恋愛対象にいきなりなるかというとならないかもしれない笑。
そのへんも変にリアルだ笑
全体的にまとまっている小説で特に気になるような変なところはない。
ただ、こう何か物足りない感じがするのは小さくまとまりすぎたゆえなのか。
しかし、女性作家が描いた恋愛小説の女性人物のセリフはやっぱりいい。自然だ。
反対に男性人物はどこかきれいすぎる。
男性作家だとそれが、逆になる。
なんだか面白いね。