【書評】「悪霊」ドストエフスキーの感想
▼「悪霊(上・下)」ドストエフスキー
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おすすめ度:★☆☆☆☆
ごめんなさい、自分の読解力の低さを露呈するようであれだけど、はっきりいって面白くありませんでした。
まず、文庫本二冊で1400ページくらいある長さ。
そしてやや話に展開が出てくるのが400ページくらいまで到達したあとという、圧倒的なスロースターターぶり。
「罪と罰」は面白かったけど「悪霊」は全然面白いと思えるタイミングがなかった。
なんというか、ここまで思想に小説が寄ってしまうと、小説でやる必要がある……? という気持ちになってしまう。
哲学書とかでいいじゃん、という気持ち。
その点、「罪と罰」は普通に先が気になる展開にプラスして思想が展開されていたから、こうぐっ、と真に迫るものがあった。
「悪霊」にはちょっと、それがない。
どうして僕がここまで話の展開について触れるかっていうと、こういういわゆる「求道的」な内容って、大人になればなるほどどうでもよくなってしまうから。
一番刺さるのは大学生とかに対してじゃないでしょうか?
だから求道的な内容だけに留まらず単純に先が気になる物語性の高さは必須だと思っています。
「悪霊」には当然ところどころ刺さる言葉があった。
「二人しかいなかったところへ、ふいに第三の人間が、新しい魂が生まれる。人間の手ではけっしてできないような、完璧に完成された魂がです」
「神は必要だから存在するはずだが、それが存在しないことも同時に知っている」←ちょっと原文と違うかも。こんなニュアンスだったと思う。
上記のような言葉は面白かった。
けどもはや「刺さる言葉を探す」という読み方になってしまって小説それ自体を読むという行為とは別になってしまった。
こういう小説を名作だからといって手にとって、その読みづらさに「読書なんてつまらない」と読書嫌いになってしまう可能性を秘めてしまっていると思うので、僕はちょっと他人に読んでみて、とおすすめしたりはできません。