僕の頭の中の悪霊~作家志望の雑記ブログ~

小説家になりたい人の書評メインのブログ。小説の創作論や、漫画アニメのサブカル、箱根駅伝のことなども語ります。

【書評】「ノーサンガー・アビー」「リア王」の感想

▼「ノーサンガー・アビー」ジェインオースティン

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おすすめ度:★★★★☆

オースティンの小説でよく言われるのが「大したことが書いていないのに読み進めてしまう」という言葉。

まさにそれがその通りで、このノーサンガー・アビーも、大したストーリーではないのに、どんどん読み進めてしまう。

これはすごいことで、オースティンの評論でも読もうかなと思わせるほど。

 

だって特別面白くなくても、面白いように思わせられるということなんだから、これは小説を書くうえで本当に見習いたい点。

というか小説家になりたいという人は必ずオースティンを読みましょう、まじで。

 

僕の思うその読ませる要因は、

 

・停滞感がない。常に誰かとの会話の掛け合いが発生しており、ひとりで思索する場面が少ない。

・場面の切り替わりが早く、そういう意味でも停滞感がない。

 

という点だと思う。

ただ、この停滞感のなさが、逆にシャーロットブロンテから言わせれば「情感がない」という評価になってしまうのだろうと思う。

それは一理あるけど、停滞感のなさというのはどの小説もある程度は意識する必要はあると思う。

 

しかし、そんなこの小説にも欠点があって、やや冗長ということと、タイトルにもなっているノーサンガー・アビーが出てくるのが非常に遅いということ。

読ませる技術で最後まで読み通せるが構成としてはやや難があるか。

というわけで、マックスの5つ星ではなく4つ星評価にしてみました。

 

▼「リア王」シェイクスピア

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おすすめ度:★★☆☆☆

偉大なシェイクスピアに対して、こんな点数をつけてしまうのは本当に心苦しいが、なんといったって戯曲は何か読みづらくて頭に入ってこない、っていうのが本音です。

 

ただし、ところどころ、刺さる言葉があった。

・(コーディリアを拾うフランス王妃の言葉)棄てられたものを拾うだけです。

↑これって今やってる映画の「万引き家族」に似たようなセリフがあった気がする。リア王の影響か?

 

・「俺は目が見えたときにはよくつまづいたものだ」

・「生まれ落ちて誰も大声で泣き叫ぶ」

・「神々はただ天上の退屈しのぎに人を殺してみるだけのことだ」

こんな感じでところどころ目の引くセリフがあった。

うーん、でもどうしても戯曲はうまく読めない。

ただ、小説家を目指している方はシェイクスピアは苦手でも絶対に読みましょう。

僕も有名作品は全部読むつもりです……。