【書評】村上龍「海の向こうで戦争が始まる」を読んでの感想。 - 僕の頭の中の悪霊～作家志望の雑記ブログ～

どうも管理人です。

村上龍の「海の向こうで戦争が始まる」を読みました。

感想としては正直、面白くない。

それぞれの場面場面のイメージの強さっていうのはたしかに感じますが、話の筋は一切なく、読んでいて面白いものではないというのが正直なところ。

文学作品はこういう話の筋がないタイプの小説は結構多くて、そのどれもがつまらないわけではないんですけどね。

たとえば庄野潤三の「静物」とかは面白く読めるし、同じ村上で言えば村上春樹の「風の歌を聴け」だって話の筋がなくたって面白い。

「限りなく透明に近いブルー」は同じタイプでももう少し面白かったような気がするんだけど……。

まぁでもこれからの小説で話の筋がないものっていうのは、よっぽどの名品でない限り難しいんじゃないでしょうか。文学は売れない時代ですしねー。

話は変わるけど村上春樹は「風の歌を聴け」が一番よかったような気がする。

「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」もおもしろいけど、遠藤周作が谷崎賞の選評でいっていた、「長くなったことによってもともと持っていた作品の空しさみたいなものが薄まった」という意見がものすごく的を射ている気がするんです。

さ