【書評】「星の王子さま」「怪談・奇談」の感想
▼「星の王子さま」サンテグジュペリ
星の王子さま (新潮文庫) [ アントアーヌ・ド・サン・テグジュペリ ]
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これは名作。
大人になってこそ読んでほしい素晴らしい小説。
今まで当然「星の王子さま」という名前は知っていたけど、僕みたいに実際に読んだことはないという人が大多数でないかと思う。
そんな人は騙されたと思って読んでみてください。これは童話でありながら大人に向けた本だ。
「大人には必ず説明をしなくてはならない」
「今大切なことで忙しいって、一体何が大切なのか」
「小さい頃に遊んだぬいぐるみは時間をかけているから大切なものになる」
「(花が言った言葉)人間は根がないから風でどこかにいってしまうから大変ね」
色々な言葉がはっ、と何かを気づかせてくれる。
風刺をきかせた場面も多い。
いつも威張っている王様。
なぜその仕事をしているのかわかっていない大人……。
色々と今生きている場面場面の見え方を変えてくれそうな、そんな本。
ちょっと童話だからって舐めていたが、時代を越えて語り継がれる小説にはやっぱり読まれるべき理由がある。
「星の王子さま」おすすめです。
▼「怪談・奇談」ラフガディオハーン
怪談・奇談 (角川文庫) [ ラフカディオ・ハーン(小泉八雲) ]
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作者名は小泉八雲とも言う。
怪談と聞くとただ単に怖い話を思い浮かべてしまうが、意外と哀切な愛の物語が多い。
個人的にはこの手の話が好きなので面白かった。
「雪女」「耳なしほいち」とかの有名な話はやっぱり鉄板的に面白い。
また、妻が死んだ後、忘れないために庭に埋める話とか、輪廻転生して結ばれる話とか、いちいちツボにはまる。
やや話に陳腐な印象を受けるのは多くの作家が模倣したからがゆえでしょう。
1話1話が非常に短いのにもかかわらずこれだけ面白いのは物語の力というのかなんというか。
結構好きな人多そう。おすすめ。