【書評】「先生、原稿まだですか!」「カフカ寓話集」
▼「先生、原稿まだですか!」織川制吾
先生、原稿まだですか! 新米編集者、ベストセラーを作る【電子書籍】[ 織川制吾 ]
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軽いライト文芸的な本。
新米編集が担当作家との間で色々なことがあり、それを乗り越える話。
本が好きな人は共感できる部分が多い。
まぁよくも悪くも、普通。正直特別な感想はない笑。
でもそんなこと言うと書評にならないからもう少し突っ込んで書きます。
・二人の作家を登場させているが、それぞれもっと深く主人公との関係を書くべきだったと思う。なんか浅い感じ。
・タイトルほど原稿まだですかの状態にはならない。
・同じ会社の人たちがかなりちょい役で必要性を感じない人もいる?
・作家に資料集めを依頼されるが意外と簡単に見つかってしまって拍子抜け。
なんとも言えないけど、全体的にさらっとした内容なのでさらっとしか感想が書けない笑。
べつに悪い小説ではないんだけど……物足りなさは半端ない。ということは悪い小説なのかもしれないけど。
ラスト付近のシーンは本が好きな人だったら共感できるので読んでみてもいいかも。
▼「カフカ寓話集」カフカ
カフカ寓話集 (岩波文庫) [ フランツ・カフカ ]
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世界文学の中でも有数の作家、フランツカフカ。
その作家の短編が納められたこの本。
こんな大作家の本をつかまえてこんなことを言うのはあれなんだけど、正直あまり面白くなかった。
っていうか納められている短編がほとんど断片的なものばかりで、ちょっとよくわからない。
あ、いいなと思ったのは「断食芸人」と「掟の問題」くらいか。
「断食芸人」の「ただみんなが食べるものと食べ物が合わないから断食している」。
「掟の問題」の、そもそも掟ってなんだろう、掟なんてもはや形のないものだ、という発想。
この辺はすごくカフカっぽい。
で、実は僕、「審判」「城」「アメリカ」、つまり長編を一個も読んでない笑。
これでカフカの短編はあらかた読んだので長編を読まないと……。
まぁとりあえず、この寓話集に関してはカフカが好きな人orカフカを研究している人が読むべき本だと思った。
まずは長編を読むべきですね。