【書評】羽田圭介「御不浄バトル」を読んで
どうも管理人です。
芥川賞をとってから一時期テレビに出演者しまくっていた羽田圭介さんの小説を初めて読みました。
ちなみに読んだのは受賞作のスクラップアンドビルドではなく、「御不浄バトル」という小説。
あらすじはこう。
彼はどうして退職するのか?新卒の“僕”が入社したのは、高額教材を売る悪徳会社だった。苛酷な労働と精神的負担で営業部員は半年で辞めていく。事務職の“僕”は無難に仕事をこなし2年目に。楽しみは、毎朝駅ビルのトイレの個室でくつろぐこと。素性不明なトイレの常連メンバー達と、静かな個室争奪戦を繰り広げる毎日。しかし、1本の電話がきっかけで、平和な日常が崩れだす。限界に達した“僕”は、ついに退職を決意するが...!?(『御不浄バトル』)。彼はどうして退職させないのか?三十路のギャル男系雑誌編集者・サカタは、“デキるビジネスマン”目指して日々奮闘中!(『荒野のサクセス』)。ブラック会社で働く青年たちの、奇妙な挑戦と闘いの記録。
なんかあらすじだけを見ると、結構面白そうだと思いましたが、正直全然面白くなった笑。
他の作品を読んでいないので羽田圭介さんの作品全体を評価できるわけではないんですが、多分サラリーマン系の小説はあまり書かない方がいいと思う、この人は。
っていうのもたしか羽田圭介さんは、数年しかサラリーマン生活をしていなかったはずで、そのせいかやはりちょっと描写が甘いっていうか、どうにもこうにも真にせまってこないものがある。
真にせまらない分、虚構であることを徹底すればまだ面白いのでしょうが、そこも少し中途半端なので、個人的には面白いと思える瞬間がありませんでした。
あとは、なんとなく本人の読書量も少ないのでは?という印象。ここはあくまで勘ですけど。
それでもデビューしてから何年も小説家でいられるのだから、きっと他の作品などが魅力的なんでしょう。
御不浄バトル (集英社文庫) [ 羽田圭介 ]
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