【書評】「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。1」「あすなろ物語」の感想
▼「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。1」
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。【電子特別版】【電子書籍】[ しめさば ]
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おすすめ度:★★★★★
これはおもしろい!
というか設定が卑怯すぎる…笑
簡単にあらすじを説明すると主人公が憧れの女性に振られて、やけ酒をしていた帰り道に家出している女子高生に出会い、家に置いてあげることになる、という話。
いやーもうホントにこれみんな大好きな設定じゃないですか!笑
っていうかね、かわいいんですよ、このヒロインの沙優って女の子が。
もっといえば部下の女の子も、主人公が好きな先輩の女性もかわいい。
で、また文章も落ち着いた調子なのがいい。
よくライトノベルにあるようなコミカルな文体じゃなくて、あくまで落ち着いた文体なので、読んでいて変に冷めるところがない。
キャラクターの描写もわざとらしく萌えを意識している感じがなくて好印象。じわじわかわいくくる感じ。
これは最近のライトノベルの中で、大当たりなんじゃないでしょうか?
当たり前だけど描いている世界はあくまで現実のため、ファンタジー系や強い萌え系を求める人には向かないとは思う。
僕はそれらよりもこういう世界観の方が好きなので、こういうライトノベルが増えたらいいなぁと思います。
▼「あすなろ物語」井上靖
あすなろ物語改版 (新潮文庫) [ 井上靖 ]
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おすすめ度:★★★☆☆
普通にいい話の小説。井上靖の自伝的小説らしい。
個人的に好きなのは一番最初の幼少期のエピソードと、最後の戦争が終わった時の話。
幼少期の方は家に遠縁の女性が来て一緒に暮らしだすというところが、なんだか一種の萌えポイントでは? と思ってしまう笑。
戦後の風景はなかなか感慨深い。
幼少の頃の「あすなろ」は「檜」に比べて、どこか虚しい物のように感じられたが、段々とあすなろのとらえ方が変わってきて、戦後しばらくして周囲はあすなろばかりになるという場面は面白い。
読んでいて単純に気持ちがいい良作です。