登場人物論②~ライトノベル的登場人物~
▼ライトノベル的登場人物設定。
どんな小説でも登場人物の魅力が小説の魅力を生み出す原動力なのは間違いありませんが、ライトノベルだとそれがより一層顕著になります。
まさに登場人物の魅力だけで作品の良し悪しが決まると言っても大袈裟ではありません。
▼ライトノベル独特のキャラクター描写。
ライトノベルの世界では一般文芸よりも登場人物を大袈裟に表現する傾向にあります。
たとえば独特なセリフ回しであったり、その人物の個性を極端なものにしたりしています。中には現実世界では絶対にありえない口癖を日常的に言うキャラクターだっています(たとえばラブライブサンシャインでてくる国木田花丸というキャラクターは語尾に「ずら」とつける)。
これはあまり一般文芸にはない要素です。しかしながら現代では一般文芸はあまり売れず、反対にアニメ・漫画の文化の方が盛んです。
そう考えると、ライトノベルだと軽視せずに、ライトノベルの良さを一般文芸にうまく取り入れるべきだと考えます。
ライトノベルの登場人物の圧倒的な個性は、とらえようによっては読者に非常にわかりやすく人物の特徴を伝え、すばやく作品世界へ取り込むことのできる手法と言えるかもしれません。
▼ライトノベルキャラクターの作り方
①ギャップ萌えという手法
ライトノベルの普通ではない登場人物の作り方として「ギャップ萌え」を意識するという手法があります。
簡単に言えば「同じキャラクターが持っている2つ以上の個性にギャップを持たせることでより魅力的で、普通ではないキャラクターを作る」というもの。
たとえば、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のヒロイン、高坂桐乃は、妹+美少女+オタク、という個性を組み合わせて人気キャラクターになっています。
美少女の妹だけでは、珍しくはありませんが、そこにオタクという要素が入ることによって今までにあまりないキャラクターになっており、他にはない魅力がある登場人物になっています。
「Re:ゼロから始める異世界生活」のレムも、美少女+メイド+戦う+双子、という色々な要素を組み合わせてそこでうまくギャップを生み出しています。
このようなライトノベルならではの個性を組み合わせる手法は、非常に特徴的なキャラクターを作りやすく、読者にとってもイメージのしやすいキャラクターになっています。
②見た目の設定でキャラクターを個性的に。
ライトノベルは良くも悪くも、アニメ調の挿絵がつくため、読者も当然読みながら、アニメ的なキャラクターでイメージします。
たとえば一般文芸では少し難しい、ものすごく巨乳で、細くて、可愛い。というキャラクターも無理なく小説世界に登場させることができます。
むしろライトノベルの場合、女の子は現実に存在しないくらい可愛い要素が満載のキャラクターにするべきなのかもしれません。
ライトノベルは挿絵がつくことが前提です。挿絵にした時にあまりにも外見に特徴のないキャラクターだとここまで様々なキャラクターが乱立している現代では埋もれて行ってしまうでしょう。
つまりライトノベルに関してはむしろ過剰なまでの特徴をつけることが求められているのだと思います。
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