【オレゴンプロジェクト】大迫選手から見る、成長できる環境を目指すということ。
どうも管理人です。
今回は日本のトップランナー大迫傑選手について書いていきたいと思います。現在日本を離れアメリカのオレゴンプロジェクトでトレーニングをしている大迫傑選手の経歴から自己実現について参考になるものを探ってみました。
▼東京都出身、高校は佐久長聖高校へ。
大迫傑選手と言えば名門、佐久長聖高校出身で知られていますが、意外や意外、実は出身は長野ではなく東京都です。
中学生の頃から東京都で有名なランナーだったので、おそらく東京都の有名な高校から多くスカウトをもらったに違いありません。
けれど彼は東京の高校ではなく、長野県の佐久長聖高校を選びました。
僕はこの点に大迫選手の活動の原点があると思うのです。
東京都の高校は全国的に見て、そこまで強豪校といえる高校はありません。その理由についてはやはり練習環境が充実していない点があげられると思います。
せまい東京にはまともに校庭すらもない学校は珍しくありません。外は車の排気ガスだらけだし、土の上を走れる環境は皆無に等しく、基本的にアスファルトのみ……。
とても東京の環境は陸上競技をするうえで適したものとは言えない、というのが事実です。
おそらく大迫選手はそれを考えて地元を離れ、長野県の佐久長聖高校に進学したのだと思います。
でも実はこれって普通はなかなか踏み出せないことだと思います。当時中学生の大迫選手は、当然まだまだ精神的に幼い状態です。
自分に置き換えてみてください。いくら名門高校で走れると言っても、中学生時代に親元を離れて生活をすることになるのって、結構抵抗がありませんか?
字面だけなら簡単に見えるこの進学も、本当はなかなか決心のいることだったのではないでしょうか?
しかし大迫選手はあくまで自分が成長できる環境を選択し、事実、超高校級にまで成長したのです。
▼早稲田大学時代。アメリカへ留学。
渡辺監督は明らかに大迫選手のスピードを殺さないように練習を組んでいたと思います。
箱根駅伝だけの選手にはさせないような意識が感じられました。特に大きかったのは渡辺監督がオレゴンプロジェクトを大迫選手に紹介したことでしょう。
大迫選手はオレゴンプロジェクトの考え方にかなり心酔し、四年生の時にはチームを離れ、短期留学のような形でアメリカでトレーニングをしていました。
これには正直賛否両論がありますが、渡辺監督は当時の大迫選手のアメリカ行きはとてもじゃないが止められなかった、と言っています。それだけ本人の意思が強かったのです。
大迫選手の最後の箱根駅伝は案の定、距離をふむトレーニングをしていなかったため失速しました。しかし、本人は自分の成長に手応えを感じていたのではないでしょうか。
▼名門日清食品に加入するが。
大迫選手は実業団の名門、日清食品に加入します。当時の日清食品は佐藤悠基選手も全盛期でまさにスター軍団という様相でした。
おそらくですが、この日清食品で佐藤悠基選手とともに過ごしたことが大迫選手にとって非常に大きなことだったのではないでしょうか?
佐藤悠基選手は当時、敵なしの無敵ランナーで、記録も実績も現役日本人の中で異次元の存在でした。
そもそも箱根駅伝で三年連続、しかもすべて違う区間での区間新なんて普通の選手では考えられない偉業でした。
大迫選手はそんな先輩と日本選手権で戦いますが、いいところまではいくものの、いつも負けてしまっていました。
佐藤悠基選手に負けてとても悔しそうにしている大迫選手はまだ記憶に新しいです。
おそらくこの経験から大迫選手は思ったのでしょう、「このままでは、このまま日清食品にいても日本のトップになれないし、世界とも戦えない。自分が変わらないといけないんだ」
▼実業団をやめて、アメリカへ。
そして大迫選手は日清食品を退職し、中学生の頃に地元を捨てて強くなれる環境を目指した時のように、今度は日本を捨ててアメリカに行き、オレゴンプロジェクトに加入したのです。
これはものすごい覚悟が必要です。
たとえるなら大企業から社員数数名のベンチャー企業に転職したような感覚でしょうか?
安定した環境から、自分がいつどこでどうなるかわからない環境に飛び込んだ。
大迫選手は安定した未来を捨て、今この時自分が強くなれると思った環境に、つまり今だけを目指したのです。
そして彼のそのリスクを恐れない覚悟と努力が、捨てた未来すらも引き戻すくらいの結果を出す選手まで成長したのです。
▼大迫選手から学ぶこと。
大迫選手はあらためてその来歴を見ると、いくつもの決心と覚悟によって成長していった選手と言えるでしょう。
それは彼自身の気持ちの強さが故のものでもあると思いますが、とにかく純粋に自己実現を目指した結果なのではないでしょうか。
彼にとって、もし今自分がいる環境では自己実現できないと考えればある程度リスクがあっても突き進みます。そこに覚悟こそはあっても変な迷いはありません。
しかし気をつけてほしいのは、努力をしていない人は環境が変わっても何も変わらない、ということ。
大迫選手は非常に大きな努力という、しっかりとした基盤を持ったうえで自己実現に向かっているからこそ、環境の変化を自然と求めているのです。
企業でも同じで、成功者は意外と同じ会社でずっと働いているという人は少ないと思います。これも大迫選手と同じように自己実現を追い求めてのことですね。
こういう人たちのことを「既成概念から外れている、すごい!」と評価されますが、本人たちはおそらくそんなつもりはなく、ただひたすら純粋に今を真剣に生きている結果なのです。
僕たちも大迫選手のように、貪欲なまでに自己実現を目指し、ある程度のリスクは努力でカバーするくらいの気概をもって、成長していきたいですね。